公益財団法人日本繊維検査協会

テキスタイルトレンドと品質対応

2014-15秋冬テキスタイルトレンドと品質管理のアドバイス(プルミエールヴィジョンなどの素材展をベースに)

5. 2014-15AWシーズンのファブリック・ハイライト

1.滑らかさよりコンパクト
・コンパクト(濃密な組織を持つ)素材は久しぶり、トップにバイヤーが選んだ理由は、服を構築的に見せてくれる素材、実態(ボディ感)のある柔らかさで包みこんでくれる素材。
・ウールではフェルト加工、コットンでは厚みのあるベロア加工の人気が高まっている。
・ナイロン(ポリアミド)は天然素材にブレンドすると今風なハリが表現されるので評価されている。 。

2.ダブルフェースの人気沸騰
・ダブルフェース素材は、供給と需要の双方で大きな伸びを示している。服に一味違う厚みをもたらすのに最適。
単に2種類のテキスタイルを組み合わせる足し算に終わらず、いわば新種のテキスタイルの誕生につながるからである。
一番の人気は、ボンディング加工(ニードルパンチ加工もある)による「ニットと織物」「合成繊維とシルク」「ウールとコットン」「無地と柄物」を組み合わせたダブルフェースである。

3.ボリュームが作り出す模様
・起伏に注目が集まる。

・重さを感じさせない厚みは、このシーズンが追求する素材に不可欠な要素である。
・バイヤー達の人気は、ボリュームと凹凸が柄を描き出すアウター素材に集中する。
・気泡をはらんだウール、3D構造、分厚いギピュール(装飾レース)、空気で膨らんだジャカード、ニットや布帛の、もしくは刺繍を施したキルティングなどが人気。

4.ストレッチ素材の天下
・ウール、コットン、シルク、コットン/ウール混の優勢性は崩れた。

・ストレッチ糸(ポリウレタン:スパンデックス:エラスタン:ライクラなど)をブレンドしたありとあらゆるミックス素材が台頭している。ストレッチはコート、パンツ、ドレスなど、あらゆる用途に進出する。(除:メンズシャツ)
・着心地の良い高級素材に対する需要の高まりから、カシミア、アルパカ等の希少繊維など、あらゆるブレンド素材にもストレッチが求められている。

5.ぼかし柄が一つの潮流を形成
・モチーフの輪郭が曖昧となり、織り組織で柄を表現する手法が評価される。

・描線の個性、平面部分に使われる素材、柄と素材の組み合わせの妙が重視される。
・バイヤーの人気の高かったのは、滲んだような2色使い、黒に溶け込んだようなモチーフ、シネ糸使いのために輪郭がハッキリしないチェック柄、撚糸使いによって輪郭がぼやけた幾何学模様、素材の持ち味を生かしたカモフラージュ柄、鉱物柄とアニマル柄のミックスなど。

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