ファッショントレンドと品質対応

最新のストリートファッション動向('16年4月〜8月)と品質管理上の留意点


1.2016年春夏ストリート・ファッション全体傾向

  • ■今シーズンは、スポーツやミリタリーといった、機能的でユニセックスなスタイルに一定の収束がみられ、90年代のストリートスタイルやアメカジなど、ポップでカジュアルなものと、ピンクやイエローなどのパステル調のフェミニンな雰囲気のスタイルと、キャミソールトップスの重ね着など、柄や装飾やレイヤードなど、着こなしのバリエーションが多彩になっている傾向が伺える。さらに、ボリューム感のあるもの、エスニックテイストのスタイルが新しく登場している。
  • ■トップスでは、ホールターネック、肩部分にくり抜きのあるカットソー、グラフィカルなプリントTシャツ、コカコーラやアメリカ国旗のプリントアイテムなど、装飾的なもの、肌を露出させたもの、ポップなプリントが施されたものなど、存在感のあるアイテムが好まれている。
  • ■ 今シーズンになって新しく登場しているものに、とろみブラウスやとろみスキッパーという名称で好んで着用されているトップスがある。ジョーゼットやデシンなど、やわらかさや透け感のある素材を使い、ゆったりとドレープを生かして着こなすのが好まれており、パンツやスカートのウエストに、トップスのフロント部分はインして、後ろ部分は裾を出して、ボリューム感や動きのあるコーディネートが好まれている。
  • ■ Tシャツやカットソーの上に、キャミソールやタンクトップなどのアイテムを重ね着したスタイルが新しく登場している。これは90年代の半ばに流行したスタイリングであり、当時も、ストリートカジュアル全盛の次に、キャミソールトップなど、繊細なアイテムをプラスするスタイルとして支持を集めたものである。
  • ■ ボトムでは、デニムジーンズ、デニムスカート、ガウチョパンツ、花柄プリントのスカート、シースルースカート、ワイドパンツなどが多用されている。その中でも、デニムのシルエットの変化が、昨シーズンに続き顕著であり、ワイドパンツやペグトップ、タックパンツなど、腰部分が深めのものが好まれている。ユニークなところでは、くり抜きデニムと呼ばれている、おもにハート型にくり抜いたデニムが登場している。これはダメージデニムの派生であり、シンプルなデニムと異なる、ユニークなものが登場している。さらに、デニムスカートでは、フロントにボタンがついているものが流行している。ガウチョパンツでは、とろみシャツの登場を受けて、ポリエステルとレーヨン混紡など、しなやかでとろみのある素材が多く、色も、ピンクやベージュなど、柔らかな色みが好まれている。さらには、レースやオーガンジー、プリーツなど、デリケートな素材を使った女性らしいガウチョが支持を集めている。
  • ■ スカートやワンピースで、花柄のプリントアイテムが目立っており、ピンクや水色や薄紫など、淡い地の色に、同系色で水彩画のような大柄の花がプリントされたものが多い。特にシースルーの生地にプリントを施し、アンダースカートが透けてみえるものが好まれている。加えて、プリーツスカートの人気も高く、丈はミディからロング、プリーツが細かく入っていて、透け感のあるもの、裏地をあえて表のスカート丈より短くとって、足が透けてみえるようなデザインが支持されている。
  •     
  • ■新しいところでは、衿やフロントがパイピング使いのパジャマ風セットアップや、マオカラーのシャツ、刺繍入りのスモックブラウスなど、リラックス感のあるスタイルやエスニック、フォークロア感覚のスタイルが登場しており注目される。
  •     
  • ■全体的に、シルエットは、タイトからビッグ、ギャザーやフリル、プリーツなど、表面に凹凸やふくらみのあるもの、とろみ素材の支持など、スポーツやナチュラルなど、これまで支持されてきたものとは異なる流れが生じており、注目される。

2.'16年春夏ストリート・ファッョンの特徴的なスナップ

  • (1)カットソーにタンクトップのレイヤード、ボトムは、今シーズンのトレンドアイテムであるハート柄のくり抜きがポイントのくり抜きデニムを合わせている。
    2016年8月7日 原宿 34℃
  • (2)
    肩にくり抜きのあるトップスに、ゴールドのネックレスをつけ、ボトムは黒のティアードフリルのミニスカート、足元はティンバーランド風ブーツで90年代のストリートスタイルを彷彿とさせるコーディネート。
    2016年7月10日 原宿 31℃
  • (3)
    ピンクのスカジャンにフロントがボタンのデニムスカートを合わせたストリートスタイル。首のタトゥーチョーカーも、90年代にも流行したアイテム。
    2016年4月25日 原宿 23℃
  • (4)
    タイダイやキースへリングのような、ポップなグラフィックTシャツをメインにしたストリートスタイル。トップスのシルエットが大きくなっているのが今期の特徴。
    2016年6月22日 原宿 24℃
  • (5)
    ウォッシュアウトのGジャンに、クラシカルなコカコーラのプリントTシャツ、タイトミニスカートのポップなアメリカンスタイルの二人。
    2016年4月24日 原宿 19℃
  • (6)
    肩みせトップスにレース素材のガウチョパンツのコーディネート。
    2016年6月8日 原宿 24℃
  • (7)
    フェミニンなプリント使いのワンピースが多く登場しているのも今期の特徴。右のように、水彩タッチの大きな花柄をシースルー素材にプリントした透け感のあるワンピースが好まれている。
    2016年4月24日渋谷 19℃
  • (8)
    パステルイエローなど、柔らかな色みが好まれている。左は袖がオーガンジーのカットソーに、白のミニスカートにチュールのロングプリーツをカバーしたレイヤードスカート。右の花柄スカートもトレンドアイテム。
    2016年7月10日 渋谷 31℃
  • (9)
    たっぷりとしたボリューム感のあるとろみブラウスが20代半ばくらいのキャリア女性を中心に浸透している。前裾はパンツに入れて、後裾は出す着こなしが好まれている(左)。
    2016年6月22日 原宿 24℃
  • (10)
    ピンクやローズ系カラーがトレンドカラーとして浮上している。とろみのあるガウチョ、キャミソールトップスなど、やわらかな裾さばきやドレープのあるものが目立って増えている。
    2016年7月10日 原宿 21℃
  • (11)
    ロングカーディガン、キャミソールトップ、ワイドパンツの組み合せ(左)、カーディガンに花柄ワンピースをベージュ×紫のペール系配色で組み合せている(右)。
    2016年6月4日 渋谷 19℃
  • (12)
    胸元はドローストリング、肩にゴムシャーリングを加えたフォークロア調の肌みせブラウスにデニムのコンビネゾンのコーディネート。
    2016年12月9日 渋谷 27℃
  • (13)
    ゴムシャーリングの肌みせトップなど、肩を露出させるトップスが人気を集めている。
    2016年5月26日 原宿 27℃
  • (14)
    Tシャツの上に、花柄のティアードキャミソールを重ね、ボトムには、とろみ感のあるガウチョパンツを合わせている。
    2016年8月7日 原宿 34℃
  • (15)
    プラダが火付け役とされ、海外セレブから広まったパジャマ風のセットアップがストリートにも台頭している。リラックスした感覚でありながら、新鮮な印象のセットアップが登場している。
    2016年5月26日 原宿 27℃
  • (16)
    ストリート発のトレンドとして注目されるのがマオカラーなどの中国風のエスニックスタイル。メッシュプリーツのシースルースカートにピンクのトップスの個性的なコーディネート。
    2016年5月26日 原宿 27℃
  • (17)
    スカートでは、プリーツスカートがヤングからキャリアまで幅広く支持を集めている。特にオーガンジーやチュールなどの透け感のあるプリーツが数多く登場している。
    2016年4月25日 原宿 23℃
  • (18)
    プリーツスカートのなかでも、プリーツ幅の細かなアコーディオンプリーツのミディ丈スカートがおしゃれな人たちの間で広まっている。女性らしいプリーツスカートに、あえてライダースなどの辛口のジャケットを合わせるのが好まれている。
    2016年4月24日 渋谷 19℃

*写真及び解説:共立女子短期大学 生活科学科 カラー&デザイン研究室

品質管理上の留意点

16年春夏のストリート・ファッション動向に見る品質管理面からの留意(アドバイス)事項



今回は幅広い層で支持されたプリーツ製品の特徴と注意点を挙げます。

プリーツ製品は、特殊な熱加工を施して形にするため、その耐久性には限界があり 永久的ではないため、着用、クリーニングを繰り返すことでプリーツは弱くなっていきます。長く着用するために取扱いには気を付けましょう。

ポリエステルは熱可塑性によりプリーツセットなど熱加工を高温で行うことができ、一般的にプリーツ保持性は高いので多くの商品に利用されています。しかし、再加熱するとプリーツが消失する場合があるので注意が必要です。

レーヨンはしなやかでとろみのあるドレープ性に優れた素材ですが、一般的にプリーツ保持性は低く、着用やクリーニングでその機能は低下します。汗や蒸気、水分によってプリーツが開きやすいので、雨の日の着用や長時間の着座、摩擦にも注意が必要です。

ウールは水に弱く水分によってプリーツはとれやすくなりますが、反対にその水分でプリーツ(折り目)をつけやすいという特徴があります。また、シロセット加工というウール製品に適した加工をすれば、水分の影響を受けにくく、風合いを損ねることなくプリーツを保持することができます。

家庭洗濯が可能なものについては、手洗いもしくはネットを使用し、タンブル乾燥は避けたほうがよいでしょう。
保管の際には型くずれやプリーツがつぶれないように注意しましょう。

page top