ファッショントレンドと品質対応

最新のストリート・ファッション動向(2014年9月〜2015年2月)と品質管理上の留意点


1.'14年9月〜'15年2月ストリート・ファッション全体傾向

  • 今シーズンは、トラッドとスポーツ、ミリタリーを基調として、ややマニッシュで強め、活動的な雰囲気のスタイルが主流となった。ただし、全身マニッシュなコーディネートでまとめるのではなく、チェスターコートにチュールレースのスカートの組み合わせなど、異なる質感や素材感をミックスさせた、こなれた感覚のコーディネートが目立っている。
  • トラッド調スタイルで支持を集めたアイテムとして、アウターでは、ウールのチェスターコート、ダッフルコート、コットンのトレンチコートが挙げられ、定番のベージュや黒、紺系カラーに加え、グレーとモスグリーン、サックスブルーの色のものが登場している。袖や見頃に切り替えがあり、レザーやシャギーウールなど、異素材を使ったドッキングタイプのデザインが目立ったのも特徴である。インナーでは、チルデンニットやワッペンつきニット、ストライプ柄のニットなど、ニットが好調であり、加えて、ロゴ入りトレーナーなどが目立った。ボトムでは、ウールまたは、ナイロン混紡のレジメンタルストライプ柄スカート、ウィンドーペン柄のパンツなどが多く見られた。
  • スポーツ調、あるいはミリタリー調のスタイルで支持の高かったアイテムは、アウターでは、スタジアムブルゾン、MA-1タイプのナイロン素材のフライトジャケット、レザーや合皮のライダースジャケット、Gジャン、モッズコートなどが目立った。アウターのシルエットは、ジャストフィットのサイズを大人っぽく着こなすケースと、オーバーサイズのものをゆったり着こなすケースとに二分していた。さらにインナーでは、フードつきパーカ、チェク柄のネルシャツ、ボーダーのカットソー、タートルネックシャツなどが好まれ、ボトムでは、スキニーデニム、カーゴパンツ、スエットパンツ、デニム素材のタイトまたはフレアスカート、キルティング素材のフレアスカートが目立った。
  • アウターで新しい傾向なのが、ミディからロング丈のコートの支持である。これまで、ショート丈やハーフ丈のウールコート中心であったが、流行に敏感なヤング層を中心として、ロング丈のものが進出してきており、これから春先にかけて、ロング丈のスプリングコートやロング丈カーディガンなど、ロング丈のアウターのバリエーションが広まりそうである。
  • ニットやボア等でボリューム感やふんわりとしたテクスチャーを表現したアイテムがみられたのも今期の特徴である。毛足の長さを特徴としたシャギーニットのブルゾン、これまで衿部分にみられたファーやフェイクファーのトリミングが、衿だけでなく、見頃やアウターの裾部分などに拡張して用いられたアウター類などが登場している。また、カットソーやニットの前身頃に動物や文字などをシャギーで表現したアイテムなどみられ、凹凸感のあるアイテムが好まれている。
  • パンツのシルエットとしては、相変わらずスキニータイプの足にフィットしたタイトなシルエットが圧倒的に多いものの、スキニーのなかでも、膝やモモに穴の空いたダメージジーンズが登場するなどして変化が出ている。さらには、ストレートシルエットのデニムをロールアップさせたり、ややワイドなシルエットのパンツが少しずつ登場する傾向が出ており、春夏に向けて、パンツのバリエーションは、スリム一辺倒から変化し、ワイド、ガウチョパンツ、サルエルタイプなどが新鮮味を感じるアイテムとなりそうである。
  • スカートでは、ペンシルスカートなど、細身で膝下丈のアイテムが登場しており、素材は、ウールやポリエステル、コットン等をベースにポリウレタンを混紡したものが多く、程よいストレッチ感のあるものが好まれている。また、4枚はぎや8枚はぎのフレアスカートの人気も高く、ボーダー柄やチェク柄などを用い、部分的に生地をバイアスに使うなど、柄合わせに工夫を施したデザインも登場している。

2..'14年9月〜'15年2月ストリート・ファッョンの特徴的なスナップ

  • (1)スタジアムブルゾン(左)とMA-1風ナイロンブルゾン(右)といったスポーツアイテムにキュートなフレアスカートを合わせたミックススタイル。インナーに着ているタータンチェックやストライプのニットも今期の人気アイテム。
    2014年10月18日 原宿 15℃
  • (2)
    これまで、ヤング層にではほとんど着用されてこなかったロング丈のウールコートが浮上している。ストレートなシルエットでダブル、マニッシュなデザインのものが好まれており、写真のような淡いブルー系の色が好まれている。
    2015年2月25日 原宿 11℃
  • (3)
    昨年くらいから浸透中の異素材をドッキングさせたアウターは、さらに組み合わせる素材や組み合わせ方のバリエーションを増やして継続して支持を集めている。
    2015年2月25日 原宿 23℃
  • (4)
    ボリューム感のあるニットのアウター。複数の色糸を編み込んで、部分的にラビットファーやモヘアなど、さらにボリューム感のある素材を差し込んだ凝ったデザインのもの。
    2015年2月25日 原宿 11℃
  • (5)
    MA-1風のダウンジャケットなど、ダウンジャケットはショート丈のものに限り好調だった。ボーダー柄のワンピース(左)、デニムのタイトスカートなど、スポーティーなワンピースやスカートが好まれている。
    2015年2月28日 渋谷 9℃
  • (6)
    スポーティーなMA-1ブルゾンは、シャギー使いのインナーとストライプのスリムなレギンスに合わせて、テイストをミックスさせた着こなしになっている。
    2014年11月18日 代官山 15℃
  • (7)
    小動物のしっぽのようなフリンジがついたボリューム感のあるニット。今シーズンは、こうしたアイテムのほか、アンゴラやモヘア混のふんわりとしたニットが好まれた。
    2014年12月9日原宿 15℃
  • (8)
    アニマルモチーフを使ったアイテムが好まれており、ニットではインターシャ、カットソーではプリントやワッペン等の表現が目立った。写真のように、カットソーにシャギーのベアを胸元にあしらった、凹凸感のあるアイテムが支持された。
    2014年11月18日原宿 15℃
  • (9)
    モッズコートにロゴ入りトレーナー、レジメンタルストライプ柄スカートで全身トレンドアイテムで揃えた二人。
    2014年12月9日 原宿 12℃
  • (10)
    ライダースジャケットに合わせたボトムは、ミニスカートにチュールのハーフスカートを組み合わせたダブルスキンのスカート。ハードなライダースと、チュールスカートのデリケートな雰囲気を楽しんでいる。
    2015年2月28日 渋谷 9℃
  • (11)
    チェスターコートとウィンドーペン柄のウールパンツの組み合わせ(左)や、膝にスラッシュを加えたダメージデニム(右)の支持など、強めでマニッシュな雰囲気のスタイル。
    2014年12月9日代官山 12℃
  • (12)
    ウールコートにスキニーパンツ、足元はフラットなパンプスやスニーカーの今期の主流のスタイル。右のダッフルコートは身頃と袖が異なる色を使ったもの。また、ハイウエストジーンズも人気のアイテム。
    )2014年12月9日 原宿 12℃

*写真及び解説:共立女子短期大学 生活科学科 カラー&デザイン研究室

品質管理上の留意点

2014/2015年秋冬(9月~2月)のストリート・ファッションの動向から見た品質管理面からの留意(アドバイス)事項



〈袖や身頃に異素材をドッキングしたデザイン〉
洗濯、ドライ、プレスに対する寸法変化に大きく違いがあるものを組み合わせるのは 取扱いが難しく事故が起こるリスクがあるため、あまり無理のないデザインにする。また、切り替え部分の縫い目が開くことがないように特に肩やアームホール脇等の力の加わる縫箇所ではオーバーロック縫いは原則不可とし、素材に応じて、巻縫い、袋縫い、インターロック縫いとすることが望ましい。

〈レザーや合皮のライダースジャケット〉
水や熱により硬化が生じやすいので注意が必要である。天然皮革は染色堅牢度が低いため、他の衣服に移染すると、クレームにつながる。合成皮革は製造後2~5年で経年劣化が生じる。空気中の水分で脆化するため、高温多湿の場所を避けて保管する。クリーニングの際は「パークロロエチレン」では膨潤し、機械力が加わると剥離や破れが生じる。「石油系」ではそのリスクが低いとされる。

〈ボリュームのあるニット、毛足の長いシャギーニット、ファーやフェイクファー〉
ピリングやスナッグが起こりやすいので、確認が必要である。毛羽が他の衣服に付くと汚れが目立つので、毛羽付着の確認が必要である。またアイロンやプレスは毛羽乱れや毛羽が潰れるなど風合い変化が起こるので、原則不可とする。アイロン掛けをする場合は専門業者による浮かしスチームにするなど注意を要す。ローゲージのニットは寸法変化が著しいものもあるので、確認が必要である。

〈フレアスカート、部分的に生地をバイアスに使ったスカート〉
厚地のニットやジョーゼットクレープ等を使用したものには生地の自重で裾の一部が垂れ下がって裾が波打つような形になることがある。ニットのような寸法の不安定な生地だけでなく、織物でもドレープ性のない生地を使用した場合に、生地がバイアスになった部分で垂れ下がるために起こる。対策としては、変形が起こりやすい生地については設計段階で排除し、洗濯後の吊干しで変形するものは平干しにするなど注意が必要である。

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