ファッショントレンドと品質対応

2011年2月~3月のストリートファッションと分析

全体傾向
  • 多少春らしい陽射しが感じられるようになったとはいえ、春の訪れが例年に較べ遅かった2月および3月は、Pコートやダッフルコートなどのアウターを筆頭に、トラッド調のやや上品な感覚のアウター人気が継続している。
  • 注目したいのは色使いであり、ベージュ系、ネイビー系のベーシックカラーを筆頭に、コントラストを抑えた同系色の組み合わせが支持されている点である。春夏シーズンに向けて、ローコントラストのトラッドやプレッピー系の制服調のスタイル、きれいめなフォークロアやカントリー調のスタ
  • イルがトレンドの要となりそうである。
  • 新しい素材としては、キャミソールやデニムのトリミングにレースが用いられていたり、シフォンやジョーゼット等を使った水玉ブラウス、コットンのフリルスカートやチュニックブラウスが加えられたり、ファンシーツイードのジャケットが登場するなど、柔らかで優しい表情のアイテムが登場している点である。
  • 3月に入って、地震による影響もみられ、ミリタリーやワーク調のヘビーデューティー調のアウターやチノパン人気で下火だったデニムが本格的に復活し、ジーンズやショートパンツ等が増加しているものの、類水玉やボーダー柄など、春~初夏に向けた爽やかな柄のアイテムも多数登場しており、ややハードで実用的なアウターをメインにしながらも、インナーやスカート等で春らしいフェミニン調のアイテムを加えたスタイリングが広まっている。
  • (1)
    今年のアウターはベージュやオフホワイトなどのライトトーンのウールのハーフコートの人気が高い。ボアやファートリミングをあしらったり、ポケットのギャザー加工など、ディテールにこだわりのあるデザインが好まれている。
    2011年2月20日/渋谷/8度
  • (2)
    ファンシーツイードのノーカラーのジャケットなど、本来はコンサバティブなアイテムを、洗いざらしのコットンシャツとウォッシュ加工を加えたカーゴパンツに合わせてカジュアルダウンさせた着こなしになっている。
    2011年2月27日/代官山/12度
  • (3)
    定番アウターのトレンチコートが登場している。基本に忠実なベーシックなデザインのほか、ノーカラー、短め袖など、ディテールデザインが凝ったものや、シルク混やコーティングコットンなど素材バリエーションも広まっている。
    2011年3月20日/代官山/14度
  • (4)
    キャミソールの胸元にレースを配したインナーと、デニムの裾にレースをトリミングするなど、レース素材が注目を集めている。総レースのワンピースやブラウス等も含め、レースは今シーズンの注目素材となっている。
    2011年2月27日/代官山/12度
  • (5)
    かちっとしたウールのハーフコートのインナーには、水玉のシフォン素材のブラウスでフェミニンな印象をプラス。ボトムはトレンドのチノパンをコーディネートさせている。
    2011年3月27日/原宿/11度
  • (6)
    ショート丈のPコートにシャンブレーシャツ、ボーダーのカットソー、ボトムにはふんわりした素材感がキュートなフレアスカートを合わせており、春らしいマリン調のコーディネート。
    2011年3月27日/原宿/11度
  • (7)
    水玉のブラウスとウォッシュアウト加工を加えたデニムのショートパンツ、赤のニットカーディガンのトリコロール配色が春らしいスタイル(左)。リボンテープでロゴを象ったボーダーのカットソーにデニムのショートパンツ、キャメル色のウールコートでカジュアル・プレッピー風のスタイル(右)
    2011年2月20日/渋谷/8度
  • (8)
    フロントの肋骨飾りのボタンデザインがポイントのショート丈のPコートにポリエステル素材の水玉柄のスカートを合わせたガーリッシュなコーディネート。水玉柄は春夏のトレンド柄として注目されている。
    2011年3月27日/原宿/11度
  • (9)
    フェイクムートンのショートコートのインナーには、コットン素材のチュニックを合わせ、ボトムにはチノパンの裾をロールアップさせ、リラックスしたナチュラル・カジュアルのスタイル。
    2011年3月27日/原宿/11度

写真及び解説:共立女子子短期大学 生活科学科 カラー&デザイン研究室

品質管理上の留意点

2011年2~3月のストリートファッション

これを見ますと、今年は冬物の時期がずれたため春物の息吹はあまり感じられませんが、目立つのは、レポートでも指摘されていますように、前立て、袖、衿もと、裾等の各部あるいはワンピース等の素材としてレースが多用されていることです。
この傾向はこれから夏に入っても続くことはほぼ間違いないでしょう。
そこで今回はこれについての品質管理上の留意事項をまとめてみました。

1)レース地を縫い合わせる場合、生地が織物ですととくに問題ありませんが、ニット地の場合には、生地に伸縮性がありますから、往々にして縫い糸切れが発生し、苦情につながりかねません。事実われわれの検査段階でもそのような製品が時々発見され残念ながらこれは不適合扱いになります。

2)レースを使用している製品には、極力、「ネット使用」の表記を取扱表示の下などに入れることを忘れないようにして下さい。それにより他の製品の生地の綿とかポリエステルといったものとの直接接触を避けほつれるのを防止するためです。

3)製品の一部分にプリントなどで染色されたレース生地が使用されている場合、色泣きの苦情がよくもち込まれます。とくに濃色の生地の場合には、生地段階又は製品として必要な染色堅ろう度試験をされることを強くお奨めします。

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