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再録・・縫目滑脱へのチャレンジ
再録…縫目滑脱へのチャレンジ
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このブログで滑脱に問題のある生地が多いことをを取り上げましたところ、いろいろな方からご意見をいただきました。ありがとうござます。
今日はそのうちの一つを要約して紹介します。
縫い目滑脱を巡って・その原因と対応
滑脱抵抗力問題-その1-
1、縫い目滑脱とは(現象、原因)
縫製において、縫い目に力が掛かったときに、その部分の生地の構成糸が動いて縫
い目が開いたり、縫い代から縫い糸が外れること。
その原因は、生地要因によるものとしては織密度が粗すぎる、構成糸が滑りやすい、裁ち端処理が不良、縫い代 が小さすぎるなどの場合に、
またミシン要因によるものとしては運針数が少なすぎる場合に発生しやすい。(繊維総合辞典参照)
2、測定試験方法〔JIS 1096〕一般織物試験方法による
試験方法には
1)A法、B法、C法、D法がJISによって決められている。
2)検査機関への試験依頼の現場ではB法が多く、一部主に毛織物の場合にはD法による依頼もある。
3.問題が発生しやすいケース。
2)生地
①粗い密度の生地
②朱子など浮きの大きい組織の生地
③糸が滑りやすい柔軟仕上げの生地(ポリエステル等化合繊の薄地)
3)衣服のデザイン
①フイットし過ぎているデザインの衣服(特に脇下について)
②縫い目に力の掛かり過ぎるデザインの衣服
3)縫製
①インターロックが、オーバーロック縫いをすれば防げるのに、それがなされていない。
②運針を多目にし、また縫代をとれば防げるのになされていない。
③ほつれ止め(オーバーロックかがり)をすれば防げたのにそれをなされていない。
④閂(かんぬき)止めをしてはならないところが閂止めされている。など
4、滑脱を防ぐために考えたいこと。
①生地の特性を配慮して考えデザイン・仕様を考える。(現実には、それが余り考慮されないでされている ように思われるケースが多い。)
②企画の際に生地に見合った縫い目型式、縫い型式を指定する必要があるものはその指定をする。(同上)
③多品種少量のものでは、比較的小規模な工場に発注することが多いが、そのような発注の際には、工場が所有 するミシン種類などに制約がある場合が少なくないから、指示した縫製仕様に対応できるかどうかを確かめた 上で、発注することが必要である。
④絵表示は通常、服種と素材を対象に行われているが、滑脱に関しては縫い型式に関連して起る事故が結構い。 絵表示の選定には縫い型式も加味して行うことを忘れないようにしたい。
以上