公益財団法人日本繊維検査協会

ファッショントレンドと品質対応

2010年6月~7月のストリートファッションと分析

全体傾向

  • 蒸し暑い季節を迎えたストリートでは、真夏とほぼ同様のノースリーブやショートパンツスタイルが珍しくなく、見た目に涼しげなレースやシースルー素材が多用されている。
  • 6-7月に登場しているスタイルは、ワンピースやマキシ丈スカートを主軸にしたリゾート風やフォークロア調の装いなど、ナチュラル感のあるスタイルのボリュームが広まっている。
  • 新しい傾向としては、原宿の若者層を中心として、プリントTシャツや、カモフラージュ柄をカラフルな色使いで表現したパンツなどユニークな柄のアイテムが登場している。プリント柄を全身に採り入れた、ポップでコミカルな着こなしが支持を集めている。
  • 秋冬に繋がるスタイルとして注目されているミリタリーやハードなロックテイストではメタルボタンやモール糸使い、スタッズやラインストーン使いなど、装飾的なポイント使いがプラスされている点が新しい。
  • 秋冬のコレクションの注目ディテールとして登場しているフリンジ使いなど、新しいテクニックも広まっている。
  • (1)
    総レース使いのティアードフリルのワンピースなど、レースを部分使いでなく、全面的に使ったアイテムの支持が広まっている。
    *10年5月5日/原宿/25度
  • (2)
    見た目に涼しげなシースルー素材のチュニックをタンクトップの上からレイヤードさせたコーディネート。
    *10年6月27日/代官山/29度
  • (3)
    マドラスチェックの素材とレース地とを交互に接ぎ合わせたワンピースなど、異素材を組み合わせたアイテムが登場している(写真右)。
    *10年7月11日/渋谷/28度
  • (4)
    アメコミ風のプリントのTシャツにカモフラージュ柄とアニマル柄をミックスしたような、カラフルなパンツを合わせたポップなスタイル。
    *10年6月19日/原宿/27度
  • (5)
    6-7月の人気アイテムのひとつであるワンピースやコンビネゾン。そのほとんどがコットンやナイロンのプリント素材を使っており、より大胆な柄や多色使いのものが増えている。
    *10年7月18日/原宿/31度
  • (6)
    ブラウンの地にオレンジが映えるタイダイ染めのチューブワンピース。このほかにも、グラデーション使いなど、暈かしのテクニックを用いた素材が浮上している。
    *10年7月18日/原宿/31度
  • (7)
    これまでジャケットやコート等で使われていたロープやメタルボタン等のミリタリーディテールが、カットソーやワンピースなどに用いられはじめている。
    *10年6月19日/渋谷/27度
  • (8)
    秋冬コレクションにも登場していたフリンジを使ったアイテムが、ストリートで早くも登場している。袖や裾に比較的長めのフリンジを使ったワンピースやカーディガンが支持されている。
    *10年7月11日/渋谷/28度
  • (9)
    スタッズを配した黒のカットソーなど、スタッズ以外にも、ラインストーンやスパンコール、ビーズ等を使ったデコラティブなアクセントを使ったアイテムが広まっている。
    *10年7月11日/渋谷/28度

写真及び解説:共立女子子短期大学 生活科学科 カラー&デザイン研究室

品質管理上の留意点

1.上掲のレポートに見られるように

(1)コットンやナイロン素材の各種プリント生地使いのパンツ、ワンピース、コンビネゾンなど(2)レース、シースルー素材使いのワンピース、スカート等全盛のシーズンになった

2.この傾向は秋冬物にも引き継がれようが、品質管理上からは、次のような点を指摘しておきたい。

(1)スタッズを配したカットソーとか、それ以外にもラインストーンやスパンコール、ビーズ等を使ったデコラティブなアイテムとか、ロープやメタルボタン等を用いたカットソーやワンピースがこれから秋冬物から来春物にかけてさらに出回りそうである。
これらについては商品によってドライクリーニングの×表示とか洗濯表示の際の中性洗剤使用とか、105法でなく104法の液温指定とか106(手洗)法、さらにネット使用など表示の細かい配慮が欠かせない。

(2)また引き続きレース地、シースルー地などの薄地ものが人気を集めているが、繰り返して指摘するようにこれらの生地は、バッカリンとか縫い目滑脱が発生しやすい。目寄りにも要注意。仕様書の作成の際に留意する。ほか見本品があがった段階でのチェック時見落とさないようにしたい。

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