テキスタイルトレンドと品質対応
2014-15秋冬テキスタイルトレンドと品質管理のアドバイス(プルミエールヴィジョンなどの素材展をベースに)
7.マーケット別の人気素材「カジュアル」
1.ジャケット、ピーコート、パーカ
・コンパクトニット
ジャケットかそれともスウェットシャツか。バイヤーたちは両義性のあるニット(着回しが出来るのであればなお良い)に惹かれた。フェルト加工ウール、ダイビングスーツ素材、厚いキルティングが人気
・魅力的なボンディング素材
カジュアルファッションのスペシャリストたちは、ボンディング素材の新提案の反応を示した。 コート素材の重さはあるがリラックスした雰囲気があるのが特徴。裏面用に暖かな素材を、表面用にはコーティング素材を使うといった組み合わせのほか、ギャバジンとシネジャージー、カジュアルコットンとウールといった組み合わせに注目。
2.シャツとトップス
・温かなランバージャックシャツ
オーバーシャツはこのシーズンの必須アイテムか、大きなチェック柄、分厚いコットン、ブラシ加工やエメリー加工のコットンが選ばれているところを見ると、答えはイエスのようだ。
3.パンツ
・デイリーな柄物
前代未聞。柄物素材がパンツにも進出!ドビー織りやプリントのデニム、ストレッチコットンのダマスク、混沌とした2色使い、柄入りのベロアがパンツのマーケットで優位に立つ。
・ぼやけたウォッシュ加工
支持を集めた無地素材は、完全に均質な無地ではない。ここ4シーズン後退していたウォッシュ加工が、ニュアンスに富んだカラー、ぼやけたカラー、曖昧なカラーを伴って復権。
・一味違うメルトン
カジュアルのバイヤー達に選ばれたメルトンの中に、ベーシックなものは1つもない。ツイード風、ミックス調、ウールタッチ、ストライプ、裏面プリント、光沢のある表面など、特徴は様々だが、メルトンの特徴あるソフト感はあくまで保持されてカジいる。凝ったスエットシャツやジュニア用のドレスに。
・輪郭が曖昧なプリント
レディス用の軽衣料向けにはカモフラージュ柄やアニマルスキン柄が花柄より優位に立っている。 こうしたプリント柄は輪郭や色が曖昧で素材としては主としてビスコース/ウールや温かなジャージーが好まれている。
8.プルミェールヴィジョン・アワード
毎年1回秋~冬シーズンに開催されるPVアワードは今回で5回目を迎えた。
今回のグランプリ(大賞)は日本の「小松精練(株)」が獲得した。
(日本の素材メーカーはPVアワードを毎回受賞していたがグランプリは初めて)
受賞ポイントは
鮮やかなカラーの低反発ウレタン素材の表側をナイロンタフタのタータンチェック、裏側にヘリンボーンという先染め柄をデジタルプリントで表現した素材をボンディング(サンドイッチ)した素材。 (PVコンセプトの二律背反素材:伝統的な柄に新テクノロジーの新触感)
イノベーション賞
イノセタ社(イタリア)シルクのダブルフェイス。
ハンドル賞
ルイジ・コロンボ社(イタリア)柔らかな毛足の裏にネオプレンのボンディング素材。
イマジネーション賞
H.O.H社(オーストリア)の車のタイヤの廃材をリサイクルし、ハンドカットした装飾素材。 上記グランプリを含め4素材メーカーが受賞しました。