概要
染色した繊維品の昇華により生じる変退色及び汚染を試験します。
昇華とは固体が気化する現象で、染料ではアセテート・ポリエステル等に使用されている分散染料や、綿に使用されるインディゴ染料等が他の染料に比べて昇華しやすい性質を持っています。
一般的に昇華は接触している生地同士で生じることが多く、分散染料の濃色染めでは他の淡色生地(ナイロン・ポリエステル・アセテート・ポリウレタンコーティング等の樹脂面・綿)に接触しない様な配慮が必要で、保管中の温度管理や積み上げ時の圧力に注意が必要です。
試験方法
1.試験片(100㎜×40㎜)を第一添付白布(任意白布:当会では綿)と
第二添付白布のポリエステル(100㎜×40㎜)2枚の間に挟み、短辺を縫い合わせ複合試験片とする。
2.複合試験片をステンレス鋼板(約115×63×厚さ1.5~3mm)10枚の間に挟み汗試験機に取り付けて、
約12.5kPa の圧力を加え(約50N (5.1kgf)の荷重を加える)複合試験片が垂直になるようにする。
120℃の乾燥機内で80分間保持する。
3.処理後、直ちに複合試験片を取り出し試験片と添付白布を分けて広げ放冷する。
4.試験片の変退色と添付白布の汚染をグレースケールで判定する。
基準
変退色4級
汚染3-4級